雨予報の朝、玄関でいつもの革のバッグに伸ばした手が、ふと止まったことはありませんか?
駅まで歩いて10分、改札を抜けてからバッグに目を落とすと、表面に丸い雨粒の跡がポツポツと残っている
ハンカチでこすろうかどうか迷って、結局そのまま電車に乗り、会議中もデスクの下のバッグが気になって仕方がない
そんな経験をした人ほど、「革のビジネスバッグって、やっぱり雨に弱いのでは」とスマホで検索しているはずです
しかも雨は、避けようと思って避けられるものではありません
気象庁の平年値によると、東京で1日に1.0mm以上の雨が降る日は、1年のうち約102日もあります
毎日通勤している限り、革のバッグが雨に当たるのは「もしも」ではなく「いつか必ず」の話なんです

雨の日に革のバッグなんて、使っちゃダメなんですよね?僕、もう雨の日はコンビニ袋に入れて抱えて歩こうかと思ってます。



革が水に弱いのは事実です。でも「雨の日に使えない」わけではありません。濡れた後に何をするかを知っているかどうかで、3年後のバッグの姿はまるで変わります。
はじめまして、この記事を書いているヤマオカです
施工管理会社で営業を10年、現場監督や出張もこなすうちに、気づけば手元のビジネスバッグは12個になりました
そして私は、雨の日でも革のバッグを使う派です
もちろん濡らさない工夫はしますし、雨に弱い革のバッグを持ち出すときは正直ためらいます
それでも、正しい対処を知ってからは、雨の日に玄関で固まることはほとんどなくなりました
- 革のビジネスバッグが雨に弱い本当の理由
- 濡れたときの正しい対処法と、やってはいけないNG行動
- 防水スプレーの正しい使い方と、意外と知られていない注意点
- 雨の日の革バッグに「向いている人・向いていない人」の判断基準
- 雨が心配な人ほど、買う前に確認しておきたいポイント
読み終わるころには、濡れたバッグを前にしても慌てずに手が動くようになっているはずです
そして数年後、雨の日もくぐり抜けてきたそのバッグが、深い色をまとって商談の机の上に置かれている
そんな未来に向けて、一緒に見ていきましょう
革のビジネスバッグは雨に弱い?答えは「弱い。でも雨の日に使えないわけではない」


先に答えを言うと、革のビジネスバッグは雨に弱い素材です
東京都の公的な研究機関である東京都立皮革技術センターも、バッグの手入れについて「水は大敵」とはっきり書いています
ただ、ここで「じゃあ雨の日は使えないのか」と結論を急ぐのは早すぎます
実際に革のバッグを使い込んでいる人からは、こんな声も上がっているんです
「ただ、少しの雨粒がついたくらいならしっかり拭いて乾燥させてあげれば良いので、そんなに気にしすぎなくても良いんじゃないかなと思っています。」(革のリュックを2年愛用 / 男性)
引用元:note「マザーハウスの革カバンを2年使い続けた、ツヤ・型崩れ・使用感の経過観察。」より
私もまったく同じ考えです
革は雨に弱い、でもそれは「濡れたら終わり」という意味ではありません
濡れた後の対処、濡れる前のケア、そしてどんな仕上げの革なのか、この3つで雨のダメージの大きさは大きく変わります
そもそも、通勤で雨を完全に避けることはできません


引用元:気象庁「過去の気象データ検索 東京 平年値(年・月ごとの値)」より
365日を102.5日で割ると、およそ3.5日に1日は雨の日という計算になります
だからこそ、「雨に弱いから使わない」より「雨に弱いと知ったうえで付き合う」方が、ずっと現実的なんです
革が雨に弱い3つの理由(膨らんで縮む・シミ・カビ)


革が雨に弱い理由は、大きく分けて3つあります
なんとなく「水がダメ」と覚えておくより、理由を知っておくほうが、いざ濡れたときに正しく動けます
理由① 濡れると膨らみ、乾くと縮んで硬くなる
1つ目は、革が水を吸うと膨らみ、乾くときに縮んでしまうことです
東京都立皮革技術センターのQ&Aでは、素上げ(=塗料をほとんど使わずに仕上げた革のこと)や薄い塗装の革は水に弱く、乾くと縮んで硬くなり、風合いが損なわれると説明されています
さらに革は、背中やお腹など場所によって繊維のつくりが違うため、縮み方にもムラが出ます
これが、雨に濡れたバッグが型くずれする原因です


引用元:東京都立皮革技術センター「革と革製品に関するQ&A」より
スポンジを水で濡らして、そのまま天日で乾かすとカチカチになりますよね
革でも、それに近いことが起きていると考えるとイメージしやすいと思います
ちなみに「型くずれ」は雨だけでなく、荷物の詰め込みすぎや、置き方のクセでも起こります
ふだんからできる型くずれ対策は、こちらの記事で紹介しています
理由② 水ぶくれやシミ、白い粉が出る
2つ目は、見た目に残るダメージです
日本皮革産業連合会の用語辞典によると、雨や水に濡れると表面の塗料の膜(塗膜)が浮き上がり、水ぶくれのような跡が出ることがあります
また、濡れた革が乾くとき、革の中にある塩分が水と一緒に表面へ運ばれ、白い粉のように残ることもあります
雨の翌朝、黒いバッグの表面がうっすら白くなっていたら、この現象かもしれません
理由③ 湿ったままだとカビが生える
3つ目が、いちばん厄介なカビです
東京都立皮革技術センターが掲載している専門家の資料では、カビが生えやすい条件として温度20〜30℃、湿度70%以上が挙げられています
つまり、雨で湿ったバッグを、暖かい部屋の閉め切ったクローゼットにしまうのは、カビに「どうぞ増えてください」と言っているようなものなんです
もっと知りたい人へ:「水ぶくれ」と「白い粉」の正体
水ぶくれのような跡は、専門用語で「ウォータースポット」と呼ばれます
アニリン革(=透明に近い塗料で、革の表情を生かして仕上げた革)などに使われる、水となじみやすい仕上げ剤の場合に、濡れると塗膜が浮き上がって出てくるものです
白い粉は、革の中の塩分が水に溶けて表面に運ばれ、乾いた後に残ったもので「ソルトスピュー」と呼ばれます
同じ資料では、この現象はアニリン仕上げや素上げの、いわゆる高級な革で起きやすいと注意されています
雨に濡れた革のビジネスバッグに起きる5つのトラブル


雨に濡れた革のバッグには、具体的にどんなことが起きるのでしょうか
よくあるトラブルを5つにまとめると、次のとおりです
- 雨ジミ・輪ジミ(濡れた部分の境目が丸く残る)
- 硬くなる・ひび割れる(水と一緒に油分が抜ける)
- 色落ち・色移り(シャツや服に色がつく)
- 型くずれ(部位ごとの縮み方の差でゆがむ)
- カビ・におい(湿ったまましまうと発生しやすい)
実際に、こんな悩みを抱えた人の声も見つかりました
「至急教えてください。ヌメ革に雨シミが残ってしまいました。」(ヌメ革のバッグを使用中の質問者)
引用元:Yahoo!知恵袋「ヌメ革に雨シミが残ってしまいました」より
「現在、革がガチガチに固くなり、ひび割れも起こしています。」(雨で革のバッグがずぶ濡れになった質問者)
引用元:Yahoo!知恵袋「濡れたのち、乾いて固くなってしまった革製品の対処を教えて下さい」より
この悔しさ、本当によくわかります
でも、「革を選んだことが間違いだった」と結論づけるのは早いんです
どちらのケースも、問題は濡れた直後にどう拭き、どう乾かし、乾いた後に油分を戻したかという部分にあります
そして、ビジネスバッグならではの痛手もあります
「仕事で使っている鞄についてです。持ち手が黒の牛革なのですが、このところ持ち手の部分が少し濡れるだけで、服に黒く色移りするようになってしまいました。」(仕事用の鞄を使う質問者)
引用元:Yahoo!知恵袋「仕事で使っている鞄についてです」より
白いワイシャツの脇に黒い筋がついたまま商談に向かう、想像しただけで背中が冷たくなりますよね
雨と汗が重なる梅雨どきは、とくに注意したいところです



つまり、革を選んだこと自体が失敗なんじゃなくて、濡れた後の扱い方を知らなかったことが原因ってことですか?



その通りです。同じ雨に当たっても、5分の対処をした人としなかった人とで、1年後の見た目ははっきり分かれます。
「黒い革なら平気」は誤解?同じ本革でも仕上げで水への強さが違う


ビジネスバッグは黒が多いので、「黒ならシミも目立たないし大丈夫だろう」と考える人も多いと思います
ところが、ここには落とし穴があります
「シミについてはもちろん黒革が一番目立ちません。」「しかしダメージは同じように受けるので防水対策(スプレーなど)はした方がいいですね。」(黒革なら濡れても大丈夫かという質問への回答者)
引用元:Yahoo!知恵袋「黒革なら濡れても大丈夫ですか?」より
まさにこの回答のとおりで、黒い革はシミが目立たないだけで、硬くなったりひび割れたりするダメージは同じように進みます
では、雨への強さは何で決まるのか
大きく関わるのが、革の表面をどう仕上げているか、つまり仕上げの違いです


引用元:日本皮革産業連合会「皮革用語辞典 塗料仕上げ(顔料仕上げ)」、日本皮革産業連合会「皮革用語辞典 アニリン仕上げ」、日本皮革産業連合会「皮革用語辞典 素上げ革」、東京都立皮革技術センター「革と革製品に関するQ&A」から要約
表を見るとわかるように、顔料仕上げ(=色のついた塗料で表面をしっかり覆った革)は、塗膜に強さを持たせた仕上げです
一方で、アニリン仕上げ(=透明に近い塗料で、革の表情を生かして仕上げた革)や素上げは、革そのものの表情が美しい代わりに、水への注意がより必要になります
ただし、「顔料仕上げなら水に濡れても平気」と言い切れるわけではありません
どの仕上げでも、濡れたら拭いて乾かすという基本は同じです



じゃあ黒い顔料仕上げのバッグを選べば、雨の日も手入れなしで無敵ってことですね!



リョウさん、さっきの回答にも「ダメージは同じように受ける」って書いてありましたよね…?
自分のバッグがどの仕上げなのかは、見た目だけで判断するのが難しいこともあります
迷ったら、購入したお店やブランドの公式サイトで、素材の説明やお手入れ方法を確認してみてください
革のビジネスバッグが雨に濡れたときの「正しい対処法」


ここからは、実際に濡れてしまったときの対処法です
うれしいことに、公的機関、業界団体、ブランドの公式サイトが紹介している手順は、ほぼ同じ方向を向いています
それは「押さえて拭く、形を整える、日陰で乾かす、乾いたらクリーム」という流れです
大切なのは、濡れてからの時間です
外出先、帰宅後、シミが出てしまったとき、の順に見ていきましょう
駅・オフィス・出張先のホテルでできる応急処置


濡れた直後にできることは、実はとてもシンプルです
ハンカチやティッシュで、こすらずに押さえて水を吸い取る、これだけです
国内の鞄メーカーであるFUJITAKA公式サイトでも、濡れた場合は柔らかい布で軽く押さえて水気を素早く取り、陰干しするよう案内されています
| 場所 | やること | 避けたいこと |
| 駅・電車の中 | ハンカチやティッシュで押さえて水を吸う | ゴシゴシこする、濡れた手で触り続ける |
| オフィス | 中の書類やPCを出し、床に直置きせず風通しのよい場所に置く | 暖房の吹き出し口やヒーターの近くに置く |
| 出張先のホテル | タオルで押さえ、椅子やハンガーにかけて陰干し | ドライヤーの熱風を当てる、エアコンの真下に置く |
とくにノートパソコンを入れている日は、バッグの表面だけでなく中身まで気になりますよね
そもそも革のバッグにパソコンを入れて大丈夫なのか、重さや傷みへの影響はこちらでくわしくまとめています
出張先でつい手が伸びがちなのが、ホテルの洗面台にあるドライヤーです
でも、これは後で説明するとおり、いちばん避けたい行動のひとつです
私も現場帰りに雨に降られた日は、まず駅のベンチでハンカチを取り出して、バッグの表面を押さえるところから始めます
この最初の1〜2分が、帰宅後の手入れをぐっとラクにしてくれるんです
帰宅後にやる4ステップ(拭く→形を整える→陰干し→保湿)


家に帰ったら、次の4ステップで仕上げます
東京都立皮革技術センターが紹介している手順を、図にまとめました


引用元:東京都立皮革技術センター「革製品の手入れ『ワンポイントアドバイス』」より
それぞれのステップを、もう少しくわしく見ていきましょう
乾いたやわらかいタオルを、バッグの表面にポンポンと当てて水を吸い取ります
こすると表面が傷つき、色落ちの原因になるので注意してください
中身をすべて出し、丸めた紙を詰めて形を整えます
日本皮革産業連合会の公式ブログでは、洗濯ネットに入れた新聞紙を詰める方法が紹介されています(新聞のインクが直接つかないようにする工夫です)
ここで形を整えておかないと、乾いたあとに底がゆがみ、デスクの横に置いたバッグがパタンと倒れてしまうこともあります
自立しなくなる原因と立て直しの対策は、こちらでまとめています
直射日光の当たらない、風通しのよい場所でゆっくり乾かします
完全に乾くまでの時間は濡れ具合や部屋の環境で変わるので、手で触って湿り気がなくなるまで使わない・しまわないのが基本です
水が抜けるときに革の油分も一緒に抜けやすいので、乾いたら指定のクリームを布に少量とり、薄くすり込みます
どのクリームが合うかは革によって違うので、購入したお店やブランドの案内を確認してから使ってください
「乾いたら終わり」ではなく、乾いた後の保湿までがワンセットです
ここを省くと、乾いたあとに革がゴワついたり、ひび割れの原因になったりします
「クリームで保湿」と聞くと、手入れが面倒そうに感じる人もいるかもしれません
でも、ふだんのお手入れは道具も手順も思っているよりシンプルです
初心者向けの基本の手入れは、こちらの記事で紹介しています
雨ジミ・白い粉が出てしまったときの対処法


手当てが間に合わず、雨ジミが残ってしまうこともあります
雨ジミは、濡れた部分と乾いた部分の境目に跡が残ることで目立ちます
そのため、濡れた部分だけを拭くのではなく、固く絞った布で面全体をうっすら湿らせて、境目をなじませるのがよく紹介されている方法です
ただし、一度で消そうとして何度もこすったり、水をたっぷり含ませたりするのは逆効果です
表面が白っぽくなっている場合は、先ほどの「白い粉」の可能性があります
専門家の資料では、水拭きで消える白い粉は、塩分による白い粉か初期のカビだと見分け方が紹介されています
カビの場合は、胞子を吸い込まないよう、屋外でマスクをつけて取り除くよう注意されています
それでも消えないシミやカビの跡は、無理に自分で触らず、購入したお店やブランドに相談するのがいちばんの近道です
一方で、シミを「失敗の跡」ではなく「使ってきた証し」として受け止めている人もいます
「メンテ完了!雨染みは消え切らなかった😂けどええ色になって来たよね。買った頃に比べたら👍」(革鞄で自転車通勤をしている投稿者)
引用元:note「雨鞄。」より
私も、多少のシミなら「味」としてとらえるタイプです
もちろん、これは人によって感じ方が違うので、気になる人はプロに相談するのが安心です



いいですか、雨ジミは一度で消そうとしないことです。焦ってこするほど跡は広がります。全体をなじませて、待つ。それで足りなければプロに任せてください。
やってはいけないNG行動と、その理由


濡れたバッグを前にすると、人はつい「早く何とかしたい」と焦ります
そして、良かれと思ってやったことが、いちばんバッグを傷めてしまうんです
よくあるNG行動と、その理由をまとめました
| NG行動 | なぜダメか | 代わりにやること |
| ドライヤー・ストーブ・直射日光で乾かす | 濡れた革は熱に弱く、縮むと元に戻らない | 風通しのよい日陰で自然に乾かす |
| ゴシゴシこする | 表面が傷つき、色落ちの原因になる | やわらかい布で押さえて水を吸う |
| 濡れた部分だけを拭く | 乾き方の差で輪ジミになりやすい | 固く絞った布で面全体をなじませる |
| 濡れたまましまう | 湿気がこもり、カビの原因になる | 完全に乾いてから風通しのよい場所へ |
| 自己流で水洗いする | 油分が抜けて硬くなりやすい | 購入店やブランドに相談する |



でもドライヤーで一気に乾かせば、5分で終わって効率的じゃないですか!



その5分で、何年も使うはずだったバッグが縮んで戻らなくなることがあります。急がば回れ、です。乾かす作業だけは時間をかけてください。
ドライヤー・直射日光・ストーブで急いで乾かす


いちばん多い失敗が、熱を使って急いで乾かすことです
東京都立皮革技術センターのQ&Aによると、革は濡れると熱に弱くなり、熱をかけると縮んでしまうことがあります
しかも、一度縮んだ革は元に戻すことができません
日本皮革産業連合会の公式ブログでも、濡れた革製品は日陰でゆっくり乾かすよう案内され、天日干しは革を傷めるとしています
「乾かす」ではなく「乾くのを待つ」、この意識に切り替えるだけで失敗はぐっと減ります
ゴシゴシこする・濡れた部分だけを拭く


雨粒を見つけると、反射的にハンカチでこすりたくなりますよね
でも、濡れてやわらかくなった革の表面は、とても傷つきやすい状態です
強くこすると、表面の塗膜がはがれたり、色が落ちたりする原因になります
また、雨粒が当たった部分だけを拭くと、拭いた部分とそうでない部分で乾き方に差が出て、輪ジミができやすくなります
押さえる、そして全体を均一に、この2つを覚えておいてください
濡れたまま、クローゼットやビニール袋にしまい込む


疲れて帰った夜、濡れたバッグをそのままクローゼットに入れてしまう、これも危険です
先ほどの専門家の資料には、雨の日に使ったあと手入れをせずに長く放置していた靴に、カビが生えていた事例が紹介されています
同じ資料では、ビニール袋に入れて保管すると、中で結露が起きてカビの原因になることがあるとも注意されています
また、東京都立皮革技術センターによると、塩化カルシウムを使った除湿剤は、液状になって革につくと縮んで硬くなり、元に戻らなくなることがあるそうです
カビを取ろうとして自己流で水洗いし、かえってバッグを硬くしてしまうケースもあります
濡れたバッグは「完全に乾いてから、風通しのよい場所にしまう」が鉄則です
除湿剤を使うときは、種類と置き場所に気をつけ、革に直接ふれないようにしてください
雨に負けないための予防策(防水スプレーと日頃のケア)


濡れた後の手当ても大切ですが、それ以上にラクなのが濡れる前の準備です
防水スプレー、雨の日の持ち方、そして保管のしかた
この3つを押さえておけば、雨の日のダメージはぐっと小さくできます
防水スプレーは「前日までに・定期的にかけ直す」が基本


防水スプレーは、革の表面に水をはじく膜をつくり、雨や汚れがしみ込むのを防いでくれるものです
ただし、一度かけたら永遠に効くわけではありません
PELLE MORBIDA公式サイトのお手入れ方法では、防水スプレーは20〜30cmほど離して全体にまんべんなくかけ、撥水効果(=水をはじく効果)はおおよそ2週間程度続くと案内されています
かけた後は、日陰の風通しのよい場所で半日ほど置いて、よく乾かすのがポイントです
なお、スプレーを離す距離は製品によって説明が違うことがあるので、使うスプレーの説明書きに従ってください
実際に使っている人からも、こんな声があります
「雨の日もOKだし、汚れも付きにくくなります。」「完全防水になるわけではないので定期的にスプレーしています。」(電車と自転車で移動しているブロガー)
引用元:アメーバブログ「本革をやめた理由。~バッグを買ったらやること~」より
ここで大事なのは、「完全防水になるわけではない」という部分です
防水スプレーは、あくまで濡れにくくする下準備で、濡れた後の手当てが不要になるわけではありません
人気の日本製ブランドのバッグでも、それは同じです
「水への耐性:バリスティックナイロンのように雨の中でもガシガシ使えるわけではありません。」「防水スプレーでのケアは必須です。」(アラフォーで2児の父 / 日本製の革バッグを使用)
引用元:note「【レビュー】ペッレモルビダ メイデンヴォヤージュMのサイズ感と使い心地。」より
正直なレビューだと思います
どんなに良い革でも、雨に強い革はあっても、水を完全に通さない革はない、という前提で付き合うのが正解です
もっと知りたい人へ:防水スプレーを使う前に確認したいこと
防水スプレーには、水をはじく成分の違いなどで、いくつかの種類があります
革の種類や仕上げによっては、スプレーでシミになったり、色合いが変わったりすることもあるので、最初は目立たない場所で試してください
ブランドや素材によっては、防水スプレーそのものをすすめていない場合もあります
使う前に、購入したお店やブランドの公式サイトで、すすめているケア用品を確認しておくと安心です
防水スプレーは玄関でかけない(吸い込み事故に注意)


ここは、ほかの雨対策の記事ではあまり語られていない、でもとても大事な話です
防水スプレーは、使い方を間違えると吸い込み事故につながることがあります
消費者庁のコラムでは、防水スプレーの細かい霧が肺の奥まで届き、呼吸のはたらきに支障が出ることがあると説明されています
さらに、玄関のドアを開けて靴に防水スプレーをかけていたら、風向きが変わって霧を吸い込み、呼吸が苦しくなった40歳代の事例も紹介されています
出勤前、玄関でバッグや靴にサッとひと吹き、まさに私たち40代がやりがちな場面ですよね
実際、日本中毒情報センターの資料を見ると、事故がいちばん多い場所は玄関でした


引用元:日本中毒情報センター「防水スプレーを吸い込む事故に注意しましょう!」より
同じ資料によると、2021〜2025年に相談があった吸い込み事故159件のうち、147件(92%)が防水スプレーを使ったときの事故でした
マスクをしているかどうかが確認できた111件のうち、86件(77%)はマスクをしていなかったそうです
- マスクをつけて、風通しのよい屋外で使う
- 風向きに注意し、風上から風下に向かって使う
- 顔の近くでスプレーしない
- 一度に大量に使わない
- 周りに人がいないか確認する
ちなみに同じ資料では、事故は1月・5月・6月に多い傾向があるとされています
関東甲信の梅雨入りは、気象庁の平年値で6月7日ごろです
梅雨入り前の晴れた休日に、ベランダや屋外でマスクをつけてまとめてケアする、これをおすすめします
雨の日の持ち方と、カバー・袋の備え


雨の日は、バッグの持ち方ひとつで濡れ方が大きく変わります
- 手持ちのバッグは、体の前や傘の内側に抱えるように持つ
- ショルダーバッグは、肩にかけて体の前側に回し、傘の下におさめる
- バッグの中に、ハンカチか小さなタオルを1枚入れておく
- 急な雨に備えて、たためる袋やバッグ用のカバーを持ち歩く
とくに夏のゲリラ豪雨は、天気予報が晴れでも突然やってきます
たためる袋を1枚入れておくだけで、「どうしよう」と立ちすくむ時間がなくなります
カビを防ぐ保管方法


最後に、見落としがちなのが保管のしかたです
先ほどの専門家の資料では、カビが生えやすい条件として、温度20〜30℃、湿度70%以上が挙げられていました
では、私たちが暮らす環境はどうでしょうか


引用元:気象庁「過去の気象データ検索 東京 平年値(年・月ごとの値)」より
東京では、6月から10月までの5か月間、月平均の湿度が70%を超えています
これは屋外で観測した値なので、部屋やクローゼットの中の湿度とは同じではありません
それでも、1年の半分近くは、カビにとって過ごしやすい季節が続いていると考えておくと安心です
- 濡れたバッグは、完全に乾いてからしまう
- ビニール袋に入れず、通気性のある布袋などで保管する
- クローゼットはときどき開けて、空気を入れ替える
- 雨の日に使ったバッグは、翌日は休ませて別のバッグを使う
1本のバッグを毎日使い続けるより、2本を交互に使う方が、それぞれがしっかり乾く時間をとれます
雨の日の革のビジネスバッグ、あなたは向いている?向いていない?


ここまで読んで、「思ったより手間がかからないな」と感じた人もいれば、「自分には続けられないかも」と感じた人もいると思います
どちらも、正直な気持ちだと思います
革のビジネスバッグは、誰にでも向いている道具ではありません
だからこそ、買う前に「自分は向いているか」を判断しておくことが、いちばんの失敗防止になります
本音を言うと、私は雨の日でも革のバッグを使います
雨に強めのバッグなら気軽に持ち出しますし、雨に弱い革のバッグは雨予報の日には少しためらいます
それでも、シミができたら「味」と受け止めれば、特段困ることはないと思っています
ただ、これは人によって感じ方が違う、というのも本当のところです



向いているか向いていないかって、結局どこで分かれるんですか? 手入れが好きかどうか、だけじゃないですよね?



大きく分けると、「濡れた後に5分を使えるか」「変化を味と思えるか」「その日の移動で濡れる量」の3つです。この3つで、ほぼ答えは出ます。
革のビジネスバッグが向いている人の特徴


次の項目に多く当てはまる人は、雨の日も含めて革のビジネスバッグと上手に付き合えるタイプです
- 濡れたら、帰宅後に5分ほど手入れの時間をとれる
- 2週間に1回くらいの防水ケアが苦にならない
- 多少のシミや色の変化を「味」として楽しめる
- 修理やメンテナンスをしながら、1本を長く使いたい
- 取引先や初対面の場で、落ち着いた印象を出したい
毎日仕事で使うビジネスバッグは、雨の日でも持っていかざるを得ない場面がありますよね
そんな人にこそ、日頃のケアが効いてきます
「ほぼ毎日仕事で使う(雨の日も使わざるを得ない)ビジネスバッグなら、定期的なメンテナンスと防水スプレーはした方が長持ちすると思いますが、それ以外なら、個人的には防水スプレーはおすすめしません。」(雨の日用のバッグと使い分けている回答者)
引用元:Yahoo!知恵袋「本革のこれから使う新品のバッグについて」より
この回答者は、ふだん使いのバッグなら防水スプレーはすすめないとしつつ、雨の日も使う仕事用のバッグは別だと考えています
毎日使うビジネスバッグだからこそ、ケアの効果がはっきり表れる、ということですね
余談ですが私自身、昔は安すぎる革のバッグを買って後悔したことがあります
手ざわりがザラザラで、縫い目から糸が飛び出し、人前でバッグを開くたびに少し恥ずかしい思いをしました
その経験があるからこそ、少しお金を足してでも、手入れのしがいがある1本を選ぶ価値は大きいと感じています
向いていない人の特徴と、ナイロン・合皮との上手な使い分け


反対に、次のような人は、革のビジネスバッグだけで雨の日を乗り切ろうとするとストレスがたまりやすいかもしれません
- 徒歩や自転車の移動が長く、雨の日はずぶ濡れになることが多い
- 手入れの時間を一切とりたくない
- いつでも新品同様の見た目を保ちたい
- 少しでも軽いバッグを優先したい
なかでも「革は重いから」という理由で迷っている人は、選び方で負担をかなり減らせます
疲れにくいバッグの選び方と対策は、こちらでくわしく解説しています
当てはまったとしても、革のバッグをあきらめる必要はありません
雨の日だけ、ナイロンや合皮のバッグに持ち替える、これも立派な正解です
「一日中雨予報の日や土砂降りの日は、お気に入りのレザーバッグではなくナイロンバッグを選んでいます。」(バッグ好きのブロガー)
引用元:アメーバブログ「雨の日バッグどうしてる?ハイブランドバッグは持つ?私の雨の日対策」より
ナイロンや合皮は、水をさっと拭けて軽いものが多く、雨の日や荷物が多い日には合理的な選択肢です
たとえば、会社のロッカーにナイロンのバッグを1つ置いておき、急な土砂降りの日はそちらに書類を移して帰る
こんな「使い分け」をしている人は、意外と多いんです
雨予報の日に、革のバッグで出かけるか迷ったときの判断基準


最後に、雨予報の朝に迷ったときの判断基準をまとめておきます
| 判断のポイント | 革のバッグでOK | 持ち替えた方が安心 |
| 雨の強さ・時間 | 小雨、短い時間 | 土砂降り、一日中の雨 |
| 移動手段 | 電車や車が中心で、歩く時間が短い | 徒歩や自転車の時間が長い |
| 革の仕上げ・色 | 表面をしっかり塗装した革、濃い色 | 素上げに近い革、明るい色 |
| 当日の予定 | 屋内中心で、乾かす時間をとれる | 外回りが多く、乾かす時間がない |
もちろん、これはあくまで目安です
大事な商談がある日に、雨で濡れたバッグを机に置くのが気になるなら、迷わず持ち替えて構いません



台風の日でも、気合いで革のバッグを持っていけば一人前ですよね!



気合いでバッグは守れません。台風の日は持ち替える、それができる人ほど1本を長く使えています。
雨が心配な人ほど「買う前の確認」で差がつく(雨の日も付き合える革バッグの選び方)


ここまでで、「自分は革のビジネスバッグに向いていそうだ」と感じた人も多いと思います
そんな人が次に考えたいのが、どんなバッグを選ぶかです
ひとつ、はっきり言えることがあります
それは、雨に強めの革はあっても、雨を完全に防ぐ革はないということです
たとえば、CIMABUE公式サイトのコラムでは、あるシリーズの革について、車のシートのような仕上げで水のダメージが少ないと紹介しつつ、「防水・撥水ではございません」と明記し、革用の防水スプレーをすすめています
こうした正直な説明があるかどうかも、ブランドを見極める手がかりになります
雨が心配な人ほど、買う前に次の2つを確認しておくと安心です
確認① 革の仕上げと手入れ方法が、公式にきちんと書かれているか


1つ目は、革の仕上げや手入れの方法について、公式サイトでどれだけ説明されているかです
ここまで見てきたとおり、同じ本革でも仕上げによって水への強さは変わります
そして、濡れたときの対処や、すすめているケア用品も、ブランドによって少しずつ違います
- 素材や仕上げについて、くわしい説明があるか
- 濡れたときの対処や、防水スプレーの使い方が案内されているか
- すすめているケア用品が明記されているか
- ショールームや店舗で、実物の質感や重さを確かめられるか
公式サイトの写真だけでは、革の質感や色味は伝わりきらないこともあります
可能であれば、ショールームや店舗で実物を手に取ってみてください
実物を確かめたうえで、店舗で買うか通販で買うかによって、価格や返品のしやすさも変わってきます
それぞれのメリット・デメリットは、こちらで比較しています
確認② 修理・メンテナンスの窓口と、保証の範囲


2つ目は、困ったときに相談できる窓口があるかどうかです
ここで知っておいてほしいのが、雨によるシミは、メーカーの保証の対象外になることがあるという点です
たとえばFUJITAKA公式サイトの保証・修理のページでは、保証期間は購入日から6か月間で、使用中に生じる「雨染み」は保証の対象外と明記されています
つまり、雨のダメージは、基本的には自分で防ぎ、自分で手当てするものなんです
そのうえで頼りになるのが、有料でも修理やメンテナンスを受け付けてくれる窓口です
PELLE MORBIDA公式サイトの修理サービスのように、修理メニューと料金の目安を公開しているブランドもあります
また、CIMABUE公式サイトのご利用ガイドのように、修理は購入店に連絡し、保証書を用意するよう案内しているブランドもあります
- 修理の窓口はどこか(購入店、公式サイトなど)
- 保証の期間と、保証の対象外になるもの
- 有料の修理メニューや、料金の目安が公開されているか
- 修理を頼むときに必要なもの(保証書など)
保証や修理の条件は変わることもあるので、購入前に必ず公式サイトや店舗で最新の内容を確認してください
そして、買った後は保証書を捨てずに保管しておくことも忘れずに



私、雨で傷んでも保証で直してもらえるものだと思い込んでました…。買う前に修理の窓口まで見ておくのって大事なんですね。



そうなんです。雨の日も使うつもりなら、「直せる場所があるか」は革の質と同じくらい大切な判断材料です。
雨の日も一緒に歩ける1本を探す40代が候補に入れたい、日本製の革バッグブランド3選


雨の不安があるからこそ、素材と縫製が確かで、困ったときに相談できる日本製のブランドから選びたいところです
日本製の革バッグブランドの中には、裁断から縫製・修理まで自社工場で一貫して行っているところや、事前に予約すればショールームで実物を手に取って革の艶や重さを確かめられるところもあります
用途や予算、デザインの好みに合わせて、見比べてみてください
\ 当サイトおすすめ /
どのブランドが合うかは、通勤なのか出張なのか、予算はいくらまでか、どんなデザインが好みかで変わります
まずは公式サイトやショールームで実物を確かめ、修理や返品の条件まで確認してから、自分のタイミングで判断してみてください
革のビジネスバッグと雨に関するよくある質問


最後に、革のビジネスバッグと雨について、よく聞かれる質問にお答えします
- 防水スプレーをかけると、革の経年変化(=使ううちに色や風合いが変わっていくこと)は止まってしまいますか?
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革の表面に膜ができるため、色の深まり方がゆるやかに感じられることはあります
気になる人は、購入したお店やブランドに、すすめているケア方法を確認してみてください
- 雨ジミはクリーニングで消えますか?
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シミの状態や革の種類によって変わるため、一概には言えません
自分で何度もこする前に、まずは購入したお店やブランドに相談するのがおすすめです
- 濡れたバッグを、翌日も使っていいですか?
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中までしっかり乾いていない場合は、1日休ませて別のバッグを使うのが安心です
湿ったまま使い続けると、型くずれやカビの原因になります
- 黒い革のバッグなら、手入れしなくても大丈夫ですか?
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黒い革はシミが目立ちにくいだけで、硬くなったりひび割れたりするダメージは同じように受けます
色に関係なく、濡れたら拭いて乾かし、乾いたら保湿するのが基本です
- 新しい革のバッグを買ったら、最初に何をすればいいですか?
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まずは付属の説明書きや公式サイトで、素材とお手入れ方法を確認してください
防水スプレーを使う場合は、すすめられている方法で、晴れた日に屋外でかけておくと雨の日も安心です
まとめ|革のビジネスバッグは雨に弱い。でも「知っている人」には長く付き合える相棒になる


革のビジネスバッグは、たしかに水に強い素材ではありません
濡れると膨らみ、乾くと縮んで硬くなり、シミやカビの原因にもなります
でも、それは「雨の日に使えないバッグ」という意味ではありません
- 濡れたら、こすらずに押さえて水を吸い取る
- 帰宅後は紙を詰めて形を整え、日陰で自然に乾かす
- 乾いたら、ブランドがすすめるクリームで油分を補う
- 防水スプレーは屋外でマスクをして、定期的にかけ直す
- 雨の強さや移動手段によっては、ナイロンや合皮に持ち替えるのも正解
この数分の手当てと日頃のケアを知っていれば、雨のダメージの多くは小さくできます
そして、「自分は革のビジネスバッグに向いている」と判断できた人は、素材と縫製が確かで、困ったときに修理やメンテナンスを相談できる日本製のブランドから選ぶと、
雨の日も含めて長く付き合える1本に出会いやすくなります
- 手持ちのバッグの素材とお手入れ方法を、公式サイトで確認する
- 梅雨入り前の晴れた日に、屋外で防水ケアをしておく
- バッグにハンカチを1枚、たためる袋を1枚入れておく
- 次の1本は、修理と保証の窓口を確認してから選ぶ



大丈夫です。雨の日を何度もくぐり抜けた革のバッグは、ちゃんと手をかけた分だけ、いい顔になってくれますから。
雨の日も「このバッグでよかった」と思える1本を、自分のタイミングで


雨の日の不安が小さくなった今こそ、次の1本をじっくり選ぶタイミングです
焦って決める必要はありません
公式サイトやショールームで実物を確かめ、修理や保証の条件まで見比べてから、納得できる1本を選んでください
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